王岐山の扱いに関して
ただし、王岐山が来年の第19回党大会で、一般に言われている年齢制限(68歳)を越えていても(王岐山は69歳)、チャイナ・セブン(中共中央政治局常務委員)に留任させるか否かは、実は別問題である。
なぜなら、「七上八下」(党大会開催の時に67歳ならば次期政治局常務委員に推薦していいが、68歳になっていたら推薦することはできない)というルールは、あくまでも暗黙の了解事項であって、年齢制限に関しては、文書化された規約は全く存在しないからだ。
したがって反腐敗運動のために、どうしても「余人をもって代え難し」と判断されたときには、王岐山を留任させる可能性はなくはない。
このことが、決して「習近平の三期続投のための布石」にはなっていない、というだけのことである。
ましていわんや、李克強を落すための策略など、あり得ないと考えていい。
また、もし李克強がかつていた共青団を弱体化させたいと思っているのだとしたら、なぜ習近平は今年9月29日に「『胡錦濤文選』を学習せよ」などという指示を出したのだろうか。説明がつかない。胡錦濤は李克強を推薦した、言うならば今となっては生存者の中では共青団の総本山だ。
胡錦濤を絶賛し、胡錦濤に学べという指示を出したということは、共青団を追い落とそうとしていない何よりの証拠だし、そのようなことをしたら、一党支配体制は間違いなく揺らいでしまうと断言していい。
権力闘争説を前提とした中国分析は、日本にいかなる利益ももたらさない。慎むべきではないだろうか。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。