アメリカとメキシコとの国境に壁を造れ。費用はメキシコに負担させろ――。米大統領選の共和党候補者指名レースで首位を走るドナルド・トランプの暴言で、国境と不法移民の問題が今また注目を集めている。
カリフォルニア生まれの写真家リチャード・ミズラックは04年から、3141キロに及ぶメキシコ国境地帯を撮影し続けてきた。時に大判カメラ、時にiPhoneを使い、国境フェンスのある風景や不法移民の持ち物の残骸、周辺の過酷な環境などを写し出し、写真集『ボーダー・カントス』にまとめた。
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ミズラックはこの写真集でメキシコ出身の作曲家ギレルモ・ガリンドとの一風変わったコラボレーションも試みている。国境付近で手に入れた衣服やボトル、タイヤなど、移民や国境警備隊が残したがらくたで、ガリンドが楽器を制作。そこから生み出される独特の音色によって、視覚と聴覚の両面で国境を表現しようという狙いだ。
写真と音楽から見え、聞こえてくるのは、移民と国境管理という重大な国際問題だ。荒涼とした国境地帯を写し出した試みは、トランプのわめき声以上に現実を雄弁に語る。



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