「スネルからはたくさん学ばせてもらっている。調整段階というより試合のことに関して教えてもらうことが多い」と感謝は尽きない。スネルは降板後の山本にベンチで肩を抱いてねぎらう場面が多く見られ、2人の信頼関係が感じられた。
もう1人は今季限りで現役引退を表明したカーショウだ。山本のことは1年目から自身のカーブの握りや投げ方を指南するなど気にかけていた。
山本は今年の7月7日のブルワーズ戦では1回をもたず5失点でKOされたが、9日にカーショウと2人で30分以上かけてキャッチボールを行う姿があった。カーショウは翌日の先発だったが、自身の調整はそっちのけのように左腕を振り続けた。
冒頭の優勝報告会。メジャー最強の球団でチームメイトに愛され、尊敬すら集めた山本は、ステージ上のスピーチで英語で「Losing isnʼt an option.(負けは選択肢にない)」と名ぜりふを披露。
「言っていない語録」をついに自ら口にして詰めかけた5万人の観衆を大いに沸かせ、最後は日本語で「ありがとう!」と締めた。パレードでは沿道から喝采が注がれ、本拠地では地鳴りのような大歓声が響いた。
2025年、山本はロサンゼルスの英雄となった。
(筆者は12年にスポーツニッポン新聞社入社。日本ハム担当を経て18年からMLB担当。著書に『大谷翔平への17の質問』〔アルソス〕、『大谷翔平を追いかけて~番記者10年魂のノート~』〔ワニブックス〕がある)