<『ブレット・トレイン』における白人キャストの多用は、典型的なホワイトウォッシュとして批判を浴びた。しかし原作者・伊坂幸太郎は意に介さなかった。その背景にあるのは何か>


▼目次
1.映画化とともに噴き出した、ホワイトウォッシュ(白人化)批判
2.ブラッド・ピットの沈黙と広がる批判

1.映画化とともに噴き出した、ホワイトウォッシュ(白人化)批判

伊坂幸太郎の『マリアビートル』は、個性豊かな殺し屋たちが同じ新幹線に乗り合わせて次々と想定外の事態が巻き起こる、スピード感あふれる娯楽小説だ。

2022年に英訳版と同じ『ブレット・トレイン』という題名でハリウッドで映画化されたが、主演のブラッド・ピットや製作側に対しては「ホワイトウォッシュ(白人化)」だとの批判の声が上がった。

ホワイトウォッシュとは、原作ではアジア人など非白人である主要人物を、白人の俳優に置き換えてしまうことだ。

ハリウッドにおけるホワイトウォッシュは珍しい話ではない。

その一方で反感も根強く、例えばマーベルの『ドクター・ストレンジ』や、日本の漫画『攻殻機動隊』の実写化である『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、アジア系の主要キャラクターを白人女優に演じさせたことで批判を浴びている。

『ブレット・トレイン』で少女プリンス(原作では「王子」という名の日本人の少年)を演じたジョーイ・キングは20年8月、アジア的な世界を舞台にしたネットフリックスのドラマ『アバター 伝説の少年アン』のオーディションを受けたという噂にツイッター(現在のX)でこう反応した。

「白人女性が有色人種のキャラクターを演じるべきではないと思う。私であれ、どんな白人女性であれそうだ」。

このツイートはその後、削除されたが、『ブレット・トレイン』の制作が始まったのはこの年の10月のことだ。

2.ブラッド・ピットの沈黙と広がる批判

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【note限定公開記事】アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブレット・トレイン』とホワイトウォッシュ問題


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