イギリス在住のブラウンはスミスの指摘に深く共感している。「長女は"子ども"であると同時に、"共同親"の役割も背負わされる」と彼女は語る。

「私たちは、家族の"感情の温度計"であることを期待される。場の空気を読み、他人の感情を管理し、大人たちが責任を放棄したときには代わりに対処する役割まで担わされる」

彼女はさらに、自身の弟についてこう振り返る。「弟が、親の離婚の仲裁役になったり、遠く離れた場所から家族の危機を処理したりするよう求められたことは一度もなかった。もちろん、彼なりに別の形で支えてくれていたとは思うけど」

「忙しさ=自分の価値」になる

こうした家庭内の力学がもたらす影響は、大人になってもなお続く。「長女は、生まれてこのかた"休んだ"ことがない。休めない理由は、自分の身体の中にちゃんと"収まる"ことができないから。だからリラックスもできず、眠ることもできない」とスミスは述べる。

スミスによれば、多くの長女は「頭の中だけ」で生きており、常に思考が止まらない状態にあるという。「思考を止めて、自分の身体の感覚に戻ることができない。だから休息も睡眠も得られない」

その背景には、「休むこと」が否定されてきた経験がある。「休めば"怠け者"と見なされ、"何かをしていなければならない"と教え込まれてきた。働ける年齢になった瞬間から家族のために働く」とスミスは語る。

長女は家庭内の「危機管理担当」
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