<泣き言も言わず、若い女性でも疲労困憊する大量の公務を一手に引き受ける77歳のカミラ王妃。何が王妃を精力的に活動にかりたてるのか──>

2月のいてつく朝、英イングランド北部の町ミドルズブラの一角に、ベントレーのリムジンが到着する。側近が外からドアを開けると、王妃陛下のショータイムの始まりだ。

コートと帽子に手袋をしたカミラ英王妃が子供たちの前に姿を見せると、大きな歓声が湧き上がる。子供たちは冬空の下、自分たちの「クイーン」をひと目見ようと待っていたのだ。カミラは今年、こうした場に数百回臨むことになる。

カミラが英王室の一員として国民の喝采を浴びるようになるまでの道のりは、あらゆる英王族の中で最も一筋縄ではいかなかったと言っても過言でないだろう。

皇太子時代のチャールズ国王との恋愛、チャールズと故ダイアナ妃の結婚、チャールズとダイアナの離婚、ダイアナの死、自身とチャールズの再婚......。日陰の存在だったカミラは、少しずつ表舞台へと歩を進めてきた。

その過程で大きな意味を持ったとよく言われるのは、2022年2月のエリザベス2世の発言だ。このとき女王は、将来チャールズが国王に即位した際には、妻のカミラが「クイーン(王妃)」と呼ばれることを望むと語ったのだ。女王が死去したのは、この年の9月のことだった。

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