第4話はミラー家に戻る。ジェイミーのいない一家3人は、エディの50歳の誕生日をささやかに祝おうとする。ところが車に落書きをされ、それを落とすための溶剤を買いに行ったホームセンターで、店員に「僕は息子さんの味方です」とひそかに声をかけられ、エディはゆっくりと怒りを爆発させる。

ここでジェイミーが育った家庭に改めて目が向けられる。妻子に暴力を振るうことはないが、怒りを抑え込んで爆発させるエディの性格を、ジェイミーも受け継いだのか。アートを愛する息子に無理にサッカーやボクシングをやらせて、落胆した姿を見せたエディの態度がいけなかったのか。

それとも、ジェイミーが学校から帰ると、深夜まで自室に籠もってコンピューターをいじっているのを放置した母親が悪かったのか。答えは1つではない。

『アドレセンス』が描き出すのは、子供と大人の間を揺れ動く年齢の子供たちが、バラバラに分裂する社会を直感的に見抜き、それを独自の解釈で説明するストーリーを作り上げる危うさだ。

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