<「ネイティブのように話せるようになる」という目標が多くの英語学習者を挫折させてきた。地球上で英語を話す人の約75%がノンネイティブという今日、目指すべきは「完璧な英語」ではなく、今もっている英語力を効果的に使って、誰にでも「伝わるコミュニケーション」をすることだ。ノンネイティブの英語ユーザーが持つべき、ELFの視点とは?>

ELF(共通語としての英語)とは?──グローバル時代の新たな英語観

英語は「世界の共通語」とよく言われるが、その「共通語」とは具体的にどのようなものなのだろうか? 私たちが、世界中の人々と英語を使う時代に、従来の「ネイティブ英語を目指す」学習方法は、果たして最適なのだろうか。

この疑問に答えるのが、『ELF(English as a Lingua Franca=共通語としての英語)』という新しい考え方だ。2000年ごろにヨーロッパの社会言語学の研究分野として生まれ、エルフとよばれる。

使うための英語

このELFの視点を持つと、私たちの英語の使い方や学び方の発想が大きく変わる。英語を「正しく話す」ことだけにとらわれず、多様な英語を使う相手と、「効果的に意思疎通する」ことを重視する発想へと転換できるのだ。

従来の英語教育では、正確な文法、発音、語彙を身につけ、ネイティブスピーカーのように話すことが理想とされてきた。しかし、実際には、多くのノンネイティブスピーカーはネイティブのように話せるようにはならないし、そもそも英語の使い方自体がネイティブとは異なる。

その理由は明解だ。私たちは、仕事、趣味、家庭など、日々の生活に多くの時間を費やしており、英語の学習に割ける時間は限られている。さらに、英語の上達には、長年にわたる英語を使う経験の積み重ねが必要であり、ネイティブレベルまで到達するのは現実的ではない。

それにもかかわらず、「英語はネイティブのように話せるべき」と考えると、多くの人が次のように感じてしまう。

「英語は難しすぎる」「とても自分には無理」「多少は話せるが恥ずかしいレベル」「人前では話す自信がない」──こうしたネガティブな感情をもってしまいがちだ。

約75%はノンネイティブ
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