「あと3カ月で滞納していた家賃を全部返済できます。そうしたら、福祉事務所の保証と協力を得て、固定収入のある仕事を探し、自分の生計を維持できるようになりたいと思います。そして、興味のあることをする余剰があれば望ましい。そうなると、生活保護を卒業して自立した生活を実現し、自由に自分のお金を使うことができます」

ところで、彼が興味を持っているものはいったいなんだろうか?

それは、日本のアイドルグループAKB48のファンクラブ会員になることだそうだ。

 

彼の人生経験は、私に一つのヒントを与えてくれた。

以前に記事の中で、貧困に陥って生きる希望を失っている人に向けて、このようにアドバイスをしたことがある(参考:ホームレスはどうやって「ホームレスになる」のか。誰であろうと、その可能性はある)。

「ホームレスになれ! ホームレスになれば絶望から希望への『緩衝期』を得られる。そこでは、君は何も持たなくても、人に頼らなくても生きていける」

とはいえ、もしあなたの健康状態が良くないならば、すぐに自分の住んでいる自治体の生活福祉課に生活保護の申請をしたほうがいいだろう。生活保護の力を借りることで、困難を克服し、新しい人生を迎えることができる。

日本の厚生労働省はホームページを通して、生活保護を申請したい人に対し、次のように呼びかけている。

「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに、ご相談ください」

(編集協力:中川弘子)
[筆者] 趙海成(チャオ・ハイチェン) 1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した──在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)などがある。
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