一方で、クリスパー(CRISPR)のような遺伝子編集ツールやAI(人工知能)の助けを借りて、私たちが進化を人為的・人工的に加速する可能性もある。

もちろん「人の見た目を変えるために遺伝子の編集や操作をすることには、重い倫理的な問題がある」とホジソンは言う。「実際、20世紀には『正しい』人だけに繁殖を認めることでヒトという種を改良しようと考える優生学者がいた」

幸いにして20世紀の優生学は政治的にも科学的にも破綻した。

しかし「5万年というタイムスパンで考えれば、人類が遺伝子編集・操作の技術を自分たちの種にも適用するのは時間の問題」だとホジソンは考える。

「今はただ、そのときまでに倫理の問題が深く理解されていることを願うばかりだ。5万年もあれば、きっと人は自分の見た目を好きなように選べる時代になっている。ファッションの変化と同じように私たちの外見も変わる。そんな時代が来る」

マイルンドも、「あと100年もすれば遺伝子編集の技術は完成しているだろう」と考える。

「今はまだ、遺伝子編集のツールはあっても、その技術がもたらす結果についての理解が足りていない。でも理解が深まれば、もう何でもできるという自信が生まれてくる。しばらくの間は、一線を踏み越えまいとする倫理的なブレーキが利くだろう。でも、永遠には利かない」

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