中国では一般市民を標的にした無差別の殺傷事件が1週間あまりで3件も発生した。こうした事件が頻発する背景には経済の減速と、それに関連したメンタルヘルス(心の健康)問題があると専門家は指摘している。

今月11日には広東省珠海市で男が車を暴走させて35人が死亡した。容疑者は離婚調停に不満を抱えていたとされる。16日には江蘇省無錫市の専門学校で元学生が8人を殺傷。さらに19日には湖南省常徳市の小学校前で複数の児童や歩行者が車にはねられ負傷した。この事件については容疑者が意図的に事故を起こしたのかなどを警察が捜査している。

 

無差別殺傷事件は今年に入って非常に高い頻度で起きており、中国の社会的な健康状態に対する懸念が高まっている。

警察の発表によると、珠海市と無錫市の事件の容疑者はいずれも経済的に痛手を被り、その怒りを無関係の市民に対して爆発させたと見られる。中国は景気が減速して雇用機会が一段と不安定になり、奇跡的な経済発展から恩恵を受ける人も減っている。このような経済的圧迫が精神的健康に与える影響は増大していると専門家は指摘する。

オックスフォード大学中国センターのアソシエイトで中国に関する著作もあるジョージ・マグナス氏は中国で無差別殺傷事件が相次いでいることにについて、「異常行動ではなく、ある種のパターンを示している」と分析。戦略国際問題研究所(CSIS)が7月に示した、中国では成功できないのは不公平や制度的要因のせいだと広く認識されているとの調査結果に触れ、「こうした事件に見られる社会的および産業的な停滞感を説明する上で、この調査の知見は大いに役立つし、社会の現状について警鐘を鳴らしている」と述べた。

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監視社会も影響か