<イスラエルの次なる一手と地域の脆弱性について...>

イスラエルは今、ガザ市の制圧にとどまらず、パレスチナ自治区ガザ全体の構造そのものを再編しようとしている。

ガザ市は経済活動と人の往来の中心地であり、「天井のない監獄」と呼ばれるガザ地区の中でも辛うじて都市機能を担っていた。小規模なショッピングモールや高層アパートが点在し、域外から「輸入」された生活物資も流通していたが、戦火でその姿は失われつつある。

 

ネタニヤフ政権はガザ市の制圧なくしてハマス殲滅は実現不可能だと考える。ガザ地区ではイスラエルとアメリカが関与する民間団体「ガザ人道財団(GHF)」が食料配給を担っているが、配給所が南部と中部に絞られているのも作戦の一環だろう。

その狙いをひもとく鍵となるとみられるのが、昨年にイスラエル軍のシンクタンクの刊行物として発表された論考だ。

執筆したのはGHFとも深く関わる2人のイスラエル軍関係者で、イスラエルが人道支援を含め、あらゆる面で市民生活を直接コントロールすることでハマスの影響力をそぐという戦略が描かれていた。

さらに、戦争終結後も以前のような形での難民キャンプの再建を阻止し、ガザを「再デザイン」すべきだと主張している。何ともおぞましくおこがましい考えだが、国際社会は今のイスラエルを止められる状況にはない。

イスラエルの傍若無人な行動に歯止めをかけられないのは、パレスチナの同胞であるはずのアラブ諸国も同様だ。

和平合意以来初めてイスラエルを「敵」と呼ぶ
【関連記事】