<世界の他地域では傍若無人に振る舞うトランプだが、中東ではまだ可能性が残されている...?>
トランプ米大統領が主導するガザ和平推進機関「平和評議会」が、1月にスイスで開催されたダボス会議で正式に発足した。
現時点での参加国はサウジアラビア、カタール、トルコなどの中東・アラブ諸国に加え、パキスタン、アゼルバイジャン、インドネシアなど20カ国以上に及び、その多くが権威主義体制の国家だ。
フランスやイギリスは活動の不透明さなどを理由に辞退したが、そのうちフランスは主要輸出品のワインに対するトランプ関税の脅しを受けた。
この平和評議会は、参加国の顔触れだけでなく、組織構造そのものに恣意性の問題をはらんでいる。加盟国の選定や除外、任期更新の可否に至るまで、権限は「議長」に委ねられる。
その議長に任期はなく、交代は辞任か職務不能と認定された場合のみで、しかも後継議長の指名も可能だ。評議会の指揮・運営を担う執行委員会の決定も最終的には議長の承認が必要となる。その初代議長がトランプであり、まさに彼を頂点とした私的会員制組織「トランプ・クラブ」と呼ぶにふさわしい。
パレスチナ自治区ガザにはイスラム組織ハマスに代わる統治機構として「ガザ行政国家委員会」が設立され、同評議会のガザ執行委員会の監督下に置かれることになったが、その実効性は依然として不透明なままだ。
今後の停戦維持から再建、復興に至るまでの責任を評議会の議長であるトランプが担い、ガザはまさにトランプの手のひらの上にある。つまり風化しかけていたイスラエルとパレスチナの和平問題に、アメリカが再び深く関与する展開になっている。