パレスチナ問題が解決すれば、国交のない隣国との和平への道筋が開かれるが、解決の見込みがない今、イスラエルは「自国を守れるのは自国だけ」という孤立感と焦りに駆り立てられている。それが過剰なまでの軍事行動につながっている。

パレスチナ問題はかつて「中東和平」の核心であった。

「中東和平」とは、狭義ではイスラエルとパレスチナ間の和平実現という意味だが、パレスチナ問題が解決すれば、地域に和平が訪れるという広義の意味もある。それが国際情勢の変化や当事者の不決断により、いつしか世間の関心を失い、中東和平の核心ではなくなったと思われていた。

しかし、イスラエル・ハマスの戦争により、逆説的ながらもいまだ核心部分であり続けていることが改めて認識された。

残念ながら、当事者の間でパレスチナ問題解決への機運は高まっていない。

「自分たちは未来志向」と常々口にするイスラエル人だが、その多くはハマスがイスラエルを奇襲した23年10月7日で思考が停止し、前に進む勇気はない。

また、ガザ地区を無惨なまでに破壊されたパレスチナ人にとっては、イスラエルを止められない国際社会への失望は深く、2国家解決への希望も失われている。

そんななかでレバノンやシリア情勢の変化によって、パレスチナ問題が再びかすみつつあることに懸念が広がる。

まさに分水嶺
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