キャバクラも取り締まるべき?

今回のような事例は、しばしば悪質ホストが女性客から大金を貢がせるケースと比較して語られる。「悪質ホストを取り締まるなら、悪質キャバクラも取り締まれ」という主張をする人々がいるのだ。一見フェアなように聞こえるが、私はまったく賛同しない。

キャバクラとホストにはさまざまな差異があるが、特に「年齢」というものに着目したい。ホストクラブで高額な支払いを迫られる女性の多くは、20代前半の社会経験の少ない若者が中心だ。客とスタッフの年齢も近く、「真摯な恋愛」と錯覚しやすいとも言える。一方、キャバクラの場合は今回のように40〜50代、あるいはそれ以上の「良い歳をした大人」が相手となる。

同じような色恋営業であっても、騙す側が20代、騙される側が40〜50代のいい歳した大人となると、「おじさん馬鹿じゃないの?」と私は思ってしまうのだ。

こういうトラブルは大昔から続いているようで、こんなことわざもある。

「女郎に誠あれば晦日(みそか)に月が出る」

女郎(じょろう)とは江戸時代の遊女、すなわち現代で言えば、水商売・風俗業に従事する女性たちを意味する。晦日(陰暦の30日)は月が見えない新月の日。「水商売の女性が正直者だとしたら、新月の日に月が見える」といった意味で、彼女たちに誠実さを求めることは構造的に無理があるのだ。

「女郎の千枚起請(きしょう)」

という言葉もある。起請とは誓約書を意味する。「遊女は何枚でも誓約書を書いてしまう」ということで、水商売の人間の約束などまったく信用ならないといった意味合いだ。

昨今のXは、「話し相手のいない孤独で不幸な人」が集まる空間になりつつある。ホストやキャバクラにどハマりしてしまう人々と完全に客層が一致しており、そう考えるとX上で和久井容疑者への同情の声が広まるのは、自然の摂理かもしれない。

「推し活」「オタ活」と称してアイドルやアニメのキャラクターに大金を注ぎ込むことがメディアなどで肯定され過ぎていることも、背景にあるかもしれない。いい歳をした大人が、親子ほど歳の離れた人間を恋愛感情込みで推す感情は、本来ちょっと恥ずかしいと捉えるべきではなかろうか。

ガールズバーやキャバクラ、ホストクラブはあくまで疑似恋愛であり、ファンタジーを楽しむ場。常識ある大人としては、そう肝に銘じたいものである。

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