戦争の帰趨は分からない。しかし確実に言えるのは世界的に政治の「残忍化」が進むことは避けられないということだ。だが、それは必ずしも破局に繋がるわけではない。『英霊』文庫版の解説を書いている今井宏昌は、『暴力の経験史:第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験1918~1923』(法律文化社、2016年)で、戦争経験の解釈のされ方は多様であり、それは必ず戦争を志向するのではなく、解釈の在り方によっては平和を志向する道もあることを示した。
ウクライナの戦争については、ロシアの侵略を批判する立場がほとんどだろう。だが我々はただ批判するだけでなく、戦争を語る方法や戦争に関する情報の受容についても丁寧に行う必要があるのだ。