こうしたふるさと納税の性格は、外国人技能実習制度における建前と現実の大きな乖離ととてもよく似ている。

技能実習は「国際協力」のための制度であり、「人手不足を補う安価な労働力の確保」として使ってはならないというのが政府の建前だが、もはや誰もそう思っていない。先の衆院選の自民党の公約には、技能実習の活用促進によって中小企業の「人手不足に対応します」との文言があからさまに書かれていた。

ふるさと納税にも技能実習にも表と裏の2つの「趣旨」があり、それらは互いに矛盾し合っている。私たちはその矛盾を知りながらも疑問に思わず、静かに受け入れることだけを求められているかのようだ。

そうしたしらじらしさの陰で、制度の犠牲になったり、損をしたりする人たちの存在はとても見えづらい。

ふるさとへの恩返しのためなら返礼品は要らないはずだし、国際貢献のためなら高額の渡航前費用や転職の制限はすぐにやめるべきだ。

「キャシュふる」はふるさと納税の趣旨から外れる──そんな一見もっともらしい言葉があえて語らない本質的な問題にこそ目を向けるべきだ。

<2022年6月28日号掲載>

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