<「原則合意」と報じられながら難航する米中貿易協議は16日、再度閣僚級電話会談を行った。新華社通信は「建設的議論だった」と説明するが、交渉は実際にはかなり行き詰まっている。2週間前の発表との比較でそれは読み解ける>

北京時間の今月16日午前、米中両国代表が貿易問題についての閣僚級電話会談を行った。翌17日、中国の新華社通信はこの会談について次のように配信した。

「11月16日午前、米中貿易協議の中国側代表である劉鶴・共産党中央政治局員・国務院副総理は、(米国側の)要請によりライトハイザー米通商代表部代表とムニューシン財務長官と通話した。双方は第1段階の協議を巡り、各自の核心的関心について建設的な議論を行った。(双方は今後)引き続き密接な交流を保っていく」

以上は新華社通信の配信記事の全文であるが、これは18日付の人民日報2面にも掲載された。この新華社の記事は中国側の正式報道であり、中国政府の正式発表にも相当する。

発表の内容自体は驚くほど短くて簡潔であるが、今までの米中貿易協議の経過を熟知している人なら、それを読んで直ちにいわゆる「第1弾の合意」に向けた米中貿易協議はすでに行き詰まり、かなり難航していることを悟ったはずである。

どうしてそう思うのか。それは、11月1日に行われた前回の米中閣僚級電話協議に関する中国側の正式報道の内容と比較してみれば一目瞭然である。

前回の米中閣僚級電話協議が行われたのは北京時間の11月1日夜であったが、2日に、新華社通信は次のような記事を配信した。

「11月1日夜、中米中貿易協議の中国側代表である劉鶴・共産党中央政治局員・国務院副総理は、(米国側の)要請によりライトハイザー米通商代表部代表とムニューシン財務長官と通話した。双方は各自の核心的関心(問題)の妥当な解決について真剣かつ建設的な議論を行い、原則的な合意に達した。双方はまた、次のステップの協議の段取りについて討論した。(中国側からは)鐘山商務部長(商務大臣)、易鋼中国人民銀行頭取などが通話に参加した」

「記事1」と「記事2」の比較

以上は、11月2日の人民日報にも掲載された新華社通信の配信記事の全文であるが、それを丹念に読んでいれば、11月16日の米中閣僚級電話協議に関する新華社記事との違いが直ちに浮かび上がってくる。ここでは、文章上の便宜のために、11月1日の閣僚級電話協議についての新華社通信記事を記事1と呼び、11月16日閣僚電話協議についての新華社記事を記事2と呼ぶ。

両者を丁寧に読み比べれば、記事1にはあって記事2から完全に抜けている重要な部分があることに気がつく。

新しい協議の方がむしろ大きく後退