その上、いまベラルーシの国民は深刻な経済危機に苦しめられている。2020年のGDPの予測値は4%減だ。しかも、この30年間で欧米との交流が深まったことで、国民が抱く社会的・政治的な期待も昔より大きくなった。
ルカシェンコは大統領選で「勝利」を収めて以降、ますます悪質な行動を取るようになっている。選挙後の3日間で約6000人が拘束され、姿を消したままの人も大勢いる。大統領選で対抗馬だった人物は、国外に脱出せざるを得なくなった。しかし、こうした抑圧的な措置は、崩壊直前の東欧の共産主義国家を連想させる。
新型コロナウイルスが直接ルカシェンコを失脚させることはないかもしれないが、コロナ禍によるストレスは独裁体制の寿命を縮めるだろう。もしそうなれば、新型コロナウイルス危機がもたらした数少ない明るい材料と言えるかもしれない。
<本誌2020年8月25日号掲載>
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