キャバノーは中絶禁止を支持するだけでなく、マイノリティーの有権者登録を制限するような州法を合憲と認め、銃規制の強化を阻止し、金融業界に対する規制や環境保護のための規制の撤廃を認めるだろう。

そのキャバノーの指名承認をめぐる攻防はどんな状況で起きたのか。大統領がネオナチをかばうような発言をし、非白人の移民を「肥だめ」のような国から来た「野獣」呼ばわりして分断と対立をあおり、保守とリベラルのにらみ合いが暴力に発展しかねない状況にほかならない。

だからこそ、フォードが土壇場で登場し、レイプ未遂を告発したことで、右派は怒り、左派は希望を持ち、11人の白髪の老人たちは弱り切っている。

古代ギリシャの思想家アリストテレスは「女たちの不遜な言動はしばしば専制国家を破滅させる」と喝破した。キャバノーが承認されるか否かにかかわらず、保守派から見れば不遜なフォードの告発が最高裁を保守の牙城にするトランプの企てを大きく狂わせたことは確かだ。

本誌2018年10月02日号[最新号]掲載

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