アサド一家にとって、亡命先はロシアが最高の選択肢だったはずだ。私がロシアに滞在して大学で教えていた12~22年、アサド家をめぐって常に2つの噂が流れていた。1つ目は、アサドの子供たちがロシア占領下のクリミア半島でサマーキャンプに参加したというもの。2つ目は、アサド一家がモスクワ市内の高級マンションを買いあさっているというものだ。

反体制派がアレッポを制圧した日、アサドの長男はロシアの一流大学に学位論文を提出した。ダマスカスの10億ドルの宮殿には住めないが、ロシアの新興財閥と同等の暮らしを、もっと安全に楽しめるだろう。

ロシアにとって、同盟相手の元独裁者を自国に亡命させるのは屈辱だが、もしアサドを交渉の切り札として効果的に使い、シリアの基地を維持できるのであれば、ロシアの地政学的な野望にとって状況はさほど変わらない。だが、基地を失えば全てご破算になる。
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