さらにいえば、日本よりもっと悲惨な国がある。つまり、軍事貢献したにもかかわらず、感謝広告に名前が出なかった国だ。アフガニスタン、韓国、ハンガリー、ホンジュラス、スウェーデンの5か国である。このうちアフガニスタンは、記念切手にも名前が載らなかったのだから、一番かわいそうである(かといってアフガニスタンからクウェートに文句が出たという話は聞かないが)。

また、記念切手で日本と同様にはじめて感謝の対象になった国がある。インド、シエラレオネ、シンガポール、ソ連、フィリピン、ブルガリアである。さて、これらの国がクウェート解放にいかなる貢献をしたのか、日本の掃海艇派遣に匹敵することをしていたのか、ご存じのかたがどれぐらいいるだろうか。

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表2(筆者作成)

東日本大震災で支援したのに...とクウェートは言ったか?

クウェートが資金援助だけの日本に感謝しなかったというのは、今風のコトバでいえば、フェイクニュースである。その意味で、感謝広告事件が自衛隊の海外派遣を正当化するために利用されたという東京新聞の記事は正しいと思う。

わたしは何も自衛隊の海外派遣に反対しているわけではない。出だしの段階でこうしたインチキ臭いロジックがまかりとおってしまったことに憤っているだけだ。これは自衛隊にとっても残念なことであろう。

ちなみに2011年4月27日付朝日新聞は、クウェートが東日本大震災の復興支援として原油500万バレルの無償提供を発表したというニュースを報じたが、いっしょに湾岸戦争のときに感謝広告で日本の名前を挙げなかったこともつけくわえている。昔は感謝しなかった国でも復興支援には協力してくれたということだろうか。

なお、500万バレルというのは約400億円に相当する(実際には原油以外の支援もかなりの額にのぼる)。当時、東北への支援として、米国がいくら出したとか、台湾がいくらとか、話題になったが、400億円というのはその米国や台湾からの援助よりも金額ではるかに上なのである。知ってました?

クウェートの支援が日本であまり知られていないことについてクウェートが文句をいったというのは寡聞にして知らない。135億ドルと比較すれば、大したことないともいえるが、135億ドルの大半が米軍にいっていたことを考えれば(クウェートには約6億円しかわたっていないとされる)、クウェートは日本に十分すぎるほど感謝していたといえるのではないだろうか。

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