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CIA女性スパイたちが受けた「露骨な性差別」、アルカイダの脅威を警告もブッシュ政権は...

SECRET HISTORY OF FEMALE SPIES

2024年08月22日(木)16時12分
バレリー・プレイム(元CIA工作員)

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ジャーナリストのライザ・マンディの新著『シスターフッド』 CROWN

時には露骨な差別があった。私の友人は、アフリカでの最初の赴任先で男性支局長に「仕事を辞めて、結婚して子供を産むべきだ」と言われた。そもそも女に工作員の仕事が務まると思っているのか、と。

見えにくい差別もあった。スパイの活用やリクルートに同じくらい成功していた女性に比べて、若い男性のほうが昇進は早かった。


入念な取材に基づくマンディの『シスターフッド』の焦点は、女性スパイのCIAに対する貢献と、彼女たちが直面した障壁だ。この本は、第2次大戦中に諜報機関に入った女性たちの回想から静かに始まる。

CIAの前身である戦略事務局(OSS)には、戦争がもたらした仕事のチャンスに女性たちが殺到した。応募者は首都ワシントンの地味な建物に集められた。

男性は面接の前に、社会階層や職業、軍の階級を分からなくするため、軍服に着替えるよう指示された。女性は別室に連れて行かれ、コートと帽子を脱ぐよう言われた。女性については「それ以上の平等化は必要ないと考えられていた」と、マンディは書いている。

40年代にOSSに採用された女性の多くは、高度な教育を受け、洗練されており、いくつもの外国語を操ることができた。女性の新規採用者のための試験では、書類を上手に整理できるかどうかが試された。

しかし採用されると、そのうち何人かは諜報活動に従事した。彼女たちは優れたスパイ組織を立ち上げ、ナチスドイツや他の枢軸国の高官から情報を入手し、重要な情報をワシントンに伝えるなど、あらゆる場面で勇気と知性を発揮した。

だが戦後、ワシントンは集団的健忘症にかかったようだった。戦時中に女性が重要な役割を果たしたことは忘れ去られ、彼女たちは再び補助的な仕事に追いやられた。

50〜60年代は、秘書がパンストと白い手袋を身に着け、男性の上司に付き従う時代だった。だが70〜80年代になると、CIAは男性と同等の知性と度胸を持つ女性を採用し始めた。私はこの大変革の恩恵を受けた。

ビンラディン捕捉に大貢献

マンディの筆致は、女性がCIAの中枢に受け入れられた時代を掘り下げるにつれ、勢いを増す。そんな女性たちのうちの何人かに、マンディはスポットライトを当てている。

国際色豊かな家庭に生まれ、名門ブラウン大学をトップクラスの成績で卒業したリサ・マンフルは、68年にCIAのキャリア訓練プログラムに参加し、男性より低い給料で採用された。上層部はマンフルを何年もデスクワークに専従させようとしたが、彼女は工作員として成功した。

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