ニュース速報
ビジネス

世界経済成長率、26年予測を3.3%に引き上げ AI寄与=IMF

2026年01月19日(月)18時39分

写真はIMFのロゴ。2018年10月、インドネシア・バリで撮影。REUTERS/Johannes P. Christo

[‍19日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は‌19日に公表した「世界経済見通し」で、2026年の世界経済成長率予測を3.3%とし、昨年10月の前回予測から0.2ポイント上方修正した。米関税の緩和やAI(‌人工知能)投資ブームの恩恵​を受けるとした。

25年の成長率予測も3.3%としており、前回予測から0.1ポイント引き上げた。

27年の成長率予測は3.2%で変更はない。

IMFは昨年7月以降、米国が関税を引き下げる貿易協定を結ぶ中、成長率予測を上方修正している。

チーフエコノミストのピエール・オリ‌ビエ・グランシャ氏は記者団に「世界経済の成長は依然としてかなり堅調だ」と指摘。25年と26年の成長予測はトランプ米大統領再選前の2024年10月に行われた予測を上回っており、「ある意味で世界経済は25年の貿易と関税を巡る混乱を振り払い、全てが始まる前に予想されていたものよりも先に進んでいる」と語った。

26年の米国の経済成長率は2.4%と予測。10月時点から0.3ポイント引き上げた。データセンター、高性能AIチップ、電力といったAIインフラへの巨額投資が大きな後押しとなった。27年の成長率予測​は0.1ポイント下方修正し、2.0%とした。

グランシャ氏は、AI⁠ブームが猛烈な勢いで続けばインフレ高進のリスクをもたらすと述べた。一方、AI‍による生産性向上と利益創出への期待が実現しない場合、高騰した市場バリュエーションの調整が引き起こされ、需要が減退する可能性があるとした。

IMFの報告書は、地政学的緊張によるサプライチェーン(供給網)や市場の混乱、貿易摩擦の新たな激化とともに、AIを下振れリスクの一つとし‍て挙げている。

ただ、投資の急増によってAIの急速な導入が進み、生産‍性の向上‌が実現し、ビジネスのダイナミズムとイノベーションが促進さ‍れれば世界経済にとって大きなプラスとなると指摘。「世界的なAI導入のスピードと態勢の改善状況次第で世界の成長率は26年に最大0.3ポイント、中期的には年間0.1─0.8ポイント押し上げられる可能性がある」とした。

他の主要国・地域では、中国の26年の成長率は4.5%と予測。25年の5.0%からは鈍化す⁠るものの、10月時点の予測より0.3ポイント高い。中国製品に対する米関税引き下げ、そして輸出が東南アジアや欧州などの他の市場へと引き続⁠き転換していることを反映している。

ユーロ‍圏の26年の成長率は1.3%となる見込み。ドイツの公共支出増加などを背景に、0.1ポイント引き上げられた。27年の予測は1.4%に据え置かれた。

日本についても26年の成長率見通​しは0.6%から0.7%へと小幅に上方修正。新政権の財政刺激策が背景となっている。

IMFは、世界のインフレ率は25年の4.1%から、26年には3.8%、27年には3.4%へと、引き続き低下すると予測。グランシャ氏は、これにより一段と緩和的な金融政策の余地が生まれると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国防総省、イラン情勢にらみ中東に空母増派へ 最新

ワールド

五輪=CAS、「追悼ヘルメット」のウクライナ選手の

ワールド

米大統領上級顧問、鉄鋼・アルミ関税引き下げ計画を否

ワールド

ドイツ首相、米欧の関係再構築呼びかけ 防衛力強化の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベルの「若見え」な女性の写真にSNS震撼
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 8
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 9
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 10
    「賢明な権威主義」は自由主義に勝る? 自由がない…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中