米国株式市場=S&P500・ダウ最高値、銀行の好決算が追い風
米国株式市場はS&P総合500種とダウ工業株30種が最高値で引けた。2021年1月撮影(2024年 ロイター/Mike Segar)
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とダウ工業株30種が最高値で引けた。銀行大手の堅調な四半期決算を追い風に、金融株の買いが膨らんだ。また、朝方発表されたインフレ指標を受け、連邦準備理事会(FRB)が11月に利下げを実施するという観測が強まった。
JPモルガン・チェースが発表した第3・四半期決算は2%の減益となったものの、投資銀行業務は好調で、純金利収入が増加したことから、1株当たり利益は市場予想を上回った。
ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)の四半期決算は、貸し倒れに備えた引当金の額が前年同期の12億ドルから10億7000万ドルに減少したことが寄与し、利益がアナリストの予想を上回った。
UBSアセット・マネジメントのポートフォリオマネージャー兼マルチアセット戦略責任者のエヴァン・ブラウン氏は、金融機関の好調は経済のソフトランディング(軟着陸)の兆候を示唆していると指摘。「これは経済全体にとって前向きな兆候で、今後数週間に発表される他の業界の業績にとり良い前兆となる」と述べた。
週足では、S&Pが1.1%、ダウが1.2%、ナスダック総合が1.1%それぞれ上昇。いずれも5週続伸となった。
11日発表された9月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比1.8%上昇した。食品価格の上昇を背景に市場予想の1.6%上昇を上回ったものの、7カ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。
同じくこの日に発表された米ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)は68.9と、前月の70.1から低下した。アナリスト予想は70.8だった。
CMEのフェドウオッチによると、今週発表されたデータを受け、市場はFRBが約88%の確率で11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施すると予想。金利を据え置く確率は12%となった。
電気自動車(EV)大手テスラが一時8.8%下落したことを受け、S&P一般消費財の売り圧力が強まった。開発中のロボタクシー(自動運転タクシー)を発表したものの、生産拡大計画や規制当局の承認獲得といった具体的な時期の見通しを明らかにしなかったことが嫌気された。
銀行決算を手がかりに、S&P金融は1.95%高、S&P500銀行株指数は4.2%高で終了。KBW地方銀行株指数は3.4%高。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.96対1の比率で上回った。ナスダックでも2.89対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は102億7000万株。直近20営業日の平均は120億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 42863.86 +409.74 +0.97 42507.53 42899.75 42507.53
前営業日終値 42454.12
ナスダック総合 18342.94 +60.89 +0.33 18217.73 18375.53 18208.44
前営業日終値 18282.05
S&P総合500種 5815.03 +34.98 +0.61 5775.09 5822.13 5775.09
前営業日終値 5780.05
ダウ輸送株20種 16238.25 +339.44 +2.14
ダウ公共株15種 1031.49 +8.65 +0.85
フィラデルフィア半導体 5335.94 +42.00 +0.79
VIX指数 20.46 -0.47 -2.25
S&P一般消費財 1576.52 -6.48 -0.41
S&P素材 605.33 +4.22 +0.70
S&P工業 1170.25 +20.56 +1.79
S&P主要消費財 875.91 +4.53 +0.52
S&P金融 773.35 +14.80 +1.95
S&P不動産 272.36 +2.85 +1.06
S&Pエネルギー 714.08 +3.43 +0.48
S&Pヘルスケア 1794.87 +13.07 +0.73
S&P通信サービス 314.56 +2.15 +0.69
S&P情報技術 4490.35 -1.55 -0.03
S&P公益事業 402.39 +3.55 +0.89
NYSE出来高 8.39億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 39980 + 370 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 39855 + 245 大阪比