コラム

八月十五日の石橋湛山―リフレと小国主義による日本の再生

2017年08月15日(火)11時30分

石橋は次のように述べた。


「したがって日本では、なんでも、かんでも通貨引き締め政策を取らねばならぬとする説は、日本の資源の開発をはばみ、永久に日本を、その日暮らしの貧乏国にしておけということに外ならない」

この「日本の資源」には、モノだけではなく、「人」も入る。いや、むしろ「人中心」にその可能性を経済的に生かすことが、石橋湛山の経済論の中心でもあった。

日本は現在、北朝鮮など近隣諸国との軍事的緊張の中にある。またデフレからの完全脱却までもうひと押しの状況にもある。石橋湛山が八月十五日に、新しい日本の針路とした小国主義とリフレ主義は今も重要な指針となるであろう。

プロフィール

田中秀臣

上武大学ビジネス情報学部教授、経済学者。
1961年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は日本経済思想史、日本経済論。主な著書に『AKB48の経済学』(朝日新聞出版社)『デフレ不況 日本銀行の大罪』(同)など多数。近著に『ご当地アイドルの経済学』(イースト新書)。

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