最新記事
ロシア

ウクライナやパルチザンのドローン攻撃? ロシア国内で「謎の閃光」目撃が相次ぎ、憶測が飛び交う

Videos of mystery flashes across Russia spark speculation

2024年2月3日(土)12時46分
エリー・クック
ロシア各地で目撃される上空の「謎の閃光」

BearFotos/Shutterstock

<SNSにいくつもの動画が投稿されている「ロシア国内で目撃された謎の光」の正体は、攻撃を受けた電力施設の爆発?>

最近、ロシアの首都モスクワをはじめ、複数の地域で謎の緑色の閃光や爆発が相次いで目撃されている。その瞬間を捉えた動画がいくつもインターネット上に出回っており、光の正体をめぐってさまざまな憶測を呼んでいる。

■【動画】「空を照らす緑色の光...」 ロシア各地で「謎の閃光」が相次いで目撃される...パルチザン関与?

ここ数日、ロシアではソーシャルメディアに明るい閃光を捉えた動画が投稿されており、これらの現象は多くの場合、ロシア国内やロシアが併合したウクライナの領土にある変電所の近くで起きたものとされている。

独占映像や速報を伝えるロシアのテレグラムチャンネル「ショット」によれば、1月30日にはモスクワの南に位置する工業都市ポドルスクの住民らが、早朝に「アシッドグリーン(鮮やかな黄緑色)の閃光」が見えたと報告した。この閃光を目撃した人々は、「上空に異常な現象」が起きたのを見たが、その原因は「謎」とされている。

一方で同じ日、ロシアの独立系メディア「アストラ」は、モスクワ州シェルビンカ地区(ポドルスクのすぐ北に位置する)の変電所で爆発があったと報じた。アストラは「原因は不明」だとし、建物が密集している地域にある施設から2つの明るい閃光が放たれる様子を捉えた短い動画をインターネット上に投稿した。

1月29日にはウクライナの軍事ブロガーであるイゴール・スシュコが、ロシア西部のチェリャビンスクにある変電所で起きた爆発とみられる動画を共有。「周辺一帯が停電になった」とつけ加えた。

ロシアのニュースサイト「74.RU」は、一連の閃光に続いて、チェリャビンスク周辺のコミュニティーが停電に見舞われたが、停電は数時間で解消されたと伝えた。

ロシア国内で相次ぐ工場や電力施設の爆発

どうやらロシア国内で相次いで目撃されている「謎の閃光」は、電力施設の爆発によるもののようだ。

アストラとウクライナの報道機関は1月23日、太平洋に面した港湾都市ウラジオストクにある「2つの変電所で爆発と火災」が同時に発生したと報道。火災の原因は分かっていないとし、2つの施設から複数の閃光が見える動画を公開した。

またロシア語の独立系ニュースサイト「メドゥーサ」は1月に入ってから、シベリアのノボシビルスクにある「暖房ネットワークで、1週間で2度目の大きな事故」があったと報道。これにより161超の共同住宅が影響を受けたということだ。

また先週は、ロシアが実効支配するウクライナ東部のドネツクの一部地域でも、ウクライナ軍のドローンが変電所に激突したことを受けて停電が発生したと示唆する複数の報道があった。

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

オラクル9-11月決算、注目指標が予想に届かず 時

ビジネス

ブラジル中銀、4会合連続で金利据え置き タカ派姿勢

ビジネス

米財政赤字、11月は前年比53%縮小 輸入関税が歳

ビジネス

米金利先物市場、1月据え置き観測高まる 26年に利
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中