最新記事
中東

イスラエル軍、ガザ攻撃激化も人質救出に失敗 ハマス幹部ら200人超拘束、数十人を半裸にして詰め込む

2023年12月9日(土)12時14分
ロイター
ガザ地区で下着姿で路上に並ばされたパレスチナ人

イスラム組織ハマスの当局者は8日、パレスチナ自治区ガザで拘束されたとされる数十人のパレスチナ人男性が下着姿で路上に並ばされている映像がソーシャル・メディアで拡散されたことを受け、イスラエル軍は「罪のない民間人に対する凶悪犯罪」を行っていると非難した。Al Jazeera English / YouTube

イスラエル軍は8日、パレスチナ自治区ガザに対する攻撃を一段と激化させ、過去24時間に陸、海、空から450カ所の標的を攻撃したと明らかにした。

イスラエル軍は、ガザで拘束されている人質の救出作戦が失敗し、兵士2人が重傷を負ったと発表。同時に「多数のテロリスト」を殺害したと表明した。

イスラエル軍のハガリ報道官は、過去48時間にガザ地区で200人以上を拘束したと表明。この中から、イスラム組織ハマスの司令官を含む数十人を尋問のためにイスラエルに連行したと述べた。

イスラエル軍司令官のダン・ゴールドファス准将は、ガザ地区南部のハンユニスで録画されたビデオメッセージで、イスラエル軍は家屋やトンネルの立坑をしらみつぶしにして戦っていると語った。

ガザ地区の住民によると、8日の夕方に北部のシェジャイア、ナファク、サブラ、ジャラ地区でイスラエル軍の砲撃が激化。パレスチナ保健当局によると、イスラエル軍がこの日、南部ハンユニスの民間住宅を爆撃し、少なくとも10人が死亡した。多数の負傷者が出ているという。

イスラム組織ハマスによると、この日は北部のシェジャイアと南部のハンユニスでイスラエル軍との最も激しい衝突があった。

国連のグテレス事務総長は6日、ガザ情勢について国連憲章第99条に基づき安全保障理事会に対処を要請。8日に予定される停戦を求める決議案の採決を前に、ガザ地区で人道システムの崩壊により、治安が完全に崩壊する可能性があると警告した。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、民間人の犠牲を減らすためにイスラエルができることはもっとあるはずだと指摘。米国はガザ地区の人道的状況に対する国際的な懸念を共有していると述べた。

展覧会
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国の王毅外相、インド訪問へ ヒマラヤの係争地につ

ワールド

前提条件なしの協議可能、米ロ首脳会談が証明=ロシア

ビジネス

エア・カナダ、客室乗務員のスト始まる 数百便が欠航

ワールド

米ロ首脳、ウクライナ停戦合意至らす トランプ氏「非
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 5
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 6
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 9
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「軍事力ランキング」で世界ト…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 8
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 6
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中