最新記事

LGBTQ

夢の王国ディズニーワールドの自治権廃止 米フロリダ州知事、LGBTQめぐり「報復」

2022年4月25日(月)11時44分
米フロリダ州のディズニーワールド

米フロリダ州のデサンティス知事(共和党)は22日、米ウォルト・ディズニーが州内のテーマパーク「ディズニーワールド」を自治区のように運営できる権利を廃止する法案に署名した。写真は2016年6月、オーランドで撮影(2022年 ロイター/Barbara Liston)

米フロリダ州のデサンティス知事(共和党)は22日、米ウォルト・ディズニーが州内のテーマパーク「ディズニーワールド」を自治区のように運営できる権利を廃止する法案に署名した。同社がLGBTQ(性的少数者)を巡る州政府の政策に反対したことを受け、知事が報復した格好となる。

この法律は、1960年代にディズニーワールドをフロリダ州に誘致するために作られたリーディ・クリーク改善地区を廃止するもの。2023年6月に発効する。

改善地区制度により、ディズニーは過去50年にわたり、オレンジ郡とオシオラ郡で消防や水といったサービスを提供し、郡政府のように機能してきた。代わりに税制上の優遇措置を受けられる債券を発行し、施設整備に充てることが可能だった。

ディズニーは、州内の学校教育でLGBTQに関する話題を取り上げることを禁じた新法に反対し、フロリダ州への政治献金を停止する方針を表明。デサンティス氏が特別区の権利廃止を議会に要請し、法案が可決されていた。

デサンティス氏は今後ディズニーの納税額が増えると述べたが、詳細は明らかにしなかった。

同氏は24年大統領選挙に立候補するとの見方もある。これまで移民や中絶、LGBTQの権利などで保守的な立場を表明しており、今回の対応も保守層へのアピールと受け取れる。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・生まれつき手足がなく、ゲイの私が「美のインフルエンサー」になるまで
・LGBTQについて「子供」にも教えるべき──そう考える大人は「変態」だって?(パックン)
・アメリカの若者の30%以上が「自分はLGBTQ」と認識していることが判明
・男性でも女性でもない「性別X」のパスポート発行、診断書などは不要


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

メラニア夫人、プーチン氏に書簡 子ども連れ去りに言

ワールド

米ロ首脳、ウクライナ安全保証を協議と伊首相 NAT

ワールド

ウクライナ支援とロシアへの圧力継続、欧州首脳が共同

ワールド

ウクライナ大統領18日訪米へ、うまくいけばプーチン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 5
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 6
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍事力ランキング」で世界ト…
  • 10
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 8
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 6
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中