最新記事

欧州

ベラルーシ、ポーランド国境沿いの移民退去 EUとの緊張緩和へ

2021年11月19日(金)08時46分
ベラルーシ・グロドノ地域のポーランド国境近くに集まる移民

ベラルーシ当局はポーランドとの国境沿いで欧州連合(EU)入りを目指し野営していた移民を退去させた。写真は18日、ベラルーシ・グロドノ地域のポーランド国境近くに集まる移民(2021年 ロイター/Kacper Pempel)

ベラルーシ当局は18日、ポーランドとの国境沿いで欧州連合(EU)入りを目指し野営していた移民を退去させた。この日は数百人のイラク人がベラルーシの首都ミンスクの空港からからイラクに向け出国しており、ベラルーシとEUの移民を巡る問題は収束に向け動き出した。

ポーランド国境警備隊の報道官は、ベラルーシとの国境沿いの野営キャンプから移民が完全に撤収したと明らかにした。ベラルーシ当局者もこれを確認した。ベラルーシ国営通信ベルタは、移民は国境から離れた場所にある倉庫に移動したとしている。

ベルタによると、ベラルーシ国営のベラビア航空はアフガニスタン、イラク、レバノン、リビア、シリア、イエメン国籍の人が、ウズベキスタンの首都タシケント発ミンスク行きの便に搭乗することを禁止した。

移民問題の解決に向け活発な外交活動が行われる中、ドイツのメルケル首相は15日に続き17日にもベラルーシのルカシェンコ大統領と電話会談を実施。ベラルーシはこの日、ルカシェンコ大統領がメルケル首相に対し、足止めされている移民のうちEUが2000人を受け入れ、ベラルーシが5000人を母国に送り返す案を提案したと明らかにした。

ドイツのゼーホーファー内相はこの提案を却下。ワルシャワで行なった記者会見で「圧力に屈して移民を受け入れれば、この不誠実な戦略の根幹部分を実施することになる」と語った。

ドイツ政府筋は、この問題は欧州全体が直面するもので、ドイツは単独で対応していないと強調。ドイツはいかなる提案にも合意していないと述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾巡る日本の発言は衝撃的、一線を越えた=中国外相

ワールド

中国、台湾への干渉・日本の軍国主義台頭を容認せず=

ワールド

EXCLUSIVE-米国、ベネズエラへの新たな作戦

ワールド

ウクライナ和平案、西側首脳が修正要求 トランプ氏は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 7
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 8
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中