最新記事

自動車

ノルウェーでガソリン車とディーゼル車の新車販売台数が来春ゼロへ

2021年10月5日(火)16時33分
松岡由希子

ノルウェーでは2022年4月にガソリン車とディーゼル車の新車販売台数がゼロになりそう...... REUTERS/Terje Solsvik/

<ノルウェーでは、近年、ガソリン車とディーゼル車の新車販売台数が減少し続けており、この傾向が続けば、2022年4月にガソリン車とディーゼル車の新車販売台数がゼロになる......>

ノルウェー政府は、2025年までにガソリン車とディーゼル車の国内販売の終了を目標に掲げている。ノルウェーでは、近年、ガソリン車とディーゼル車の新車販売台数が減少し続けてきた。

この傾向が続けば、2022年4月にガソリン車とディーゼル車の新車販売台数がゼロになり、この目標が前倒しで達成されるとの見通しが示されている。

「この20年でガソリン車とディーゼル車がほぼなくなるだろう」

ノルウェー自動車連盟(NAF)の機関誌「モーター」は、2021年9月17日、ノルウェー道路交通情報評議会(OFV)の2017年1月から2021年8月までの新車販売統計の分析結果を発表した。

これによると、2017年1〜8月では新車販売台数のうちガソリン車とディーゼル車の割合が25%超であったが、2021年1〜8月にはガソリン車が4.93%、ディーゼル車が4.73%にそれぞれ減少した。2021年7月にはガソリン車とディーゼル車を合わせた新車登録台数が初めて1000台を下回っている。

ノルウェー自動車連盟のトール・エギル・ブラッドランド氏は「2017年以降の傾向が続けば、2022年前半にはガソリン車とディーゼル車の販売は終わる」とし、「この20年でノルウェーの道路にはガソリン車とディーゼル車がほぼなくなるだろう」と予測している。

2021年1〜8月に登録された新車の上位25ブランドのうち19ブランドが電気自動車(EV)であった。2017年時点では上位25ブランドのうち電気自動車は6ブランドにとどまっていたことから、この4年で電気自動車の普及がすすんでいることがうかがえる。

9月の新車登録は、EVは77.5%、ハイブリッド車は13.9%

ノルウェー道路交通情報評議会の新車販売統計では、ハイブリッド車はガソリン車に含まれておらず、広義の「電気自動車」に分類されている。2021年1〜8月に登録された新車のランキングでは、トップの「テスラモデル3」に次ぎ、トヨタ自動車のハイブリッド車「RAV4」が2位であった。ただし、新車販売台数に占めるハイブリッド車の割合は比較的小さい。

2021年9月の新車登録台数1万992台のうちバッテリー式電気自動車(BEV)の割合が77.5%にのぼる一方、ハイブリッド車は13.9%にとどまっている。

ノルウェー政府は、自動車登録税や付加価値税(VAT:日本の消費税に相当)の免除など、電気自動車購入者に向けた優遇措置により、国内での電気自動車の普及を後押ししてきた。ブラッドランド氏は、これらの優遇措置に加え、「大手自動車メーカーを中心とする電気自動車のラインアップの拡充やバッテリー価格の低下、欧州連合(EU)の環境政策が、電気自動車のさらなる普及に向けた誘因となるだろう」との見解を示している。

The INSANE rise of electric cars in Norway! More than 50%!

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

11月ロイター企業調査:26年春闘賃上げ幅、72%

ビジネス

アルゼンチンCPI、10月は前月比2.3%上昇 前

ワールド

COP30、先住民デモ隊が警備隊との衝突弁明 「森

ワールド

アマゾンに倉庫従業員が集団訴訟、障害者への懲罰的勤
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中