最新記事

マスク

「反マスク派」ポスターを剥がした女性、仕込まれていたカミソリで負傷

Woman Cut by Razor Behind 'Masks Don't Work' Poster

2021年8月3日(火)17時55分
マシュー・インペリ
マスク着用を求める看板

マスク着用を求める英都市マンチェスターの看板 Phil Noble-REUTERS

<英カーディフの街角に貼られた「マスクには効果がない」と書かれたビラは、直接的にも間接的にも人を傷付けるものだった>

イギリス南西部ウェールズ最大の都市カーディフ在住の女性が、「マスクには効果がない」と書かれた掲示物が貼られているのを見付け、それを剥がそうとしたところ、後ろに仕込まれていたカミソリの刃で手を切るケガを負う事件があった。

イギリスのITVニュースによると、「レイラ」という名だけが伝えられているこの女性は、7月27日、カーディフの街頭に貼られていた「マスクには効果がない」と書かれたビラを発見したという。

レイラはBBCの取材に対し、カーディフのカウブリッジ・ロード・イースト近くで、「反コロナのひどいデマを主張する」掲示物の存在に気づき、何か別のものに張り替えようと考えたという。

実は彼女はステッカーを制作するアーティストであり、自身がステッカーを作る理由の1つとして、「デマがはびこる風潮と戦うこと」を挙げているという。

マスクに意味がないと主張する掲示物を「何かもっと良いもの」に置き換えようとした際、レイラはその掲示物の後ろに留められていたカミソリの刃で手を切り、「長く深い切り傷」を負った。「信じられない気持ち」になったと、彼女は語っている。その後、彼女はすぐに医療機関で処置を受けたという。

「掲示物の裏にカミソリの刃が仕込んである、なんていうのは都市伝説だと思っていた。自分の身に実際にこんなことが起きるなんて信じられなかった」とレイラは言う。

投稿をでっち上げと決めつける人も

この一件ののち、レイラはソーシャルメディアに、自身の手と掲示物を撮った複数の写真を掲載。この掲示物には「マスクには効果がない」という言葉のほかにも、「マスク:恐怖をあおり、『パンデミック』なるものを長引かせる、視覚に訴える小道具」との一文があった。

レイラはBBCに対し、ケガをした自身の手と掲示物の写真を投稿したところ、非常に幅広い、さまざまな反響があったと語った。手のケガが早く治るよう、祈る言葉をかけてくれた人がいた一方で、「いい気味だ――そのカミソリの刃を口に突っ込めば良かったんだ」といった言葉を投げつける人や、この投稿をでっち上げだと決めつける人もいたという。

「何か主張したいことがあって、それを掲示物に記すというなら、私はそういう人を止めるつもりはない。だが、誰かにケガを負わせるようなやり方はやめて欲しい」と、レイラは語る。「(掲示物に触るのが)子供だったかもしれない」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

パウエル氏利下げ拒否なら理事会が主導権を、トランプ

ビジネス

米雇用、7月+7.3万人で予想下回る 前月は大幅下

ビジネス

訂正-ダイムラー・トラック、米関税で数億ユーロの損

ビジネス

トランプ政権、肥満治療薬を試験的に公的医療保険の対
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 10
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 9
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中