最新記事

感染症対策

アストラゼネカ製ワクチン、米治験で79%の効果 血栓リスク増加なし

2021年3月23日(火)10時12分

英アストラゼネカは22日、英オックスフォード大学と開発した新型コロナワクチンについて、米国とチリ、ペルーで行われた大規模臨床試験(治験)で79%の予防効果が示されたほか、血栓リスクの増加は見られなかったと発表した(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

英アストラゼネカは22日、英オックスフォード大学と開発した新型コロナワクチンについて、米国とチリ、ペルーで行われた大規模臨床試験(治験)で79%の予防効果が示されたほか、血栓リスクの増加は見られなかったと発表した。

アストラゼネカは向こう数週間以内に米国で緊急使用承認を申請する構えだ。

治験はあらゆる年齢層の3万2000人超を対象に実施。このうち65歳以上の被験者は全体の約2割に上った。重篤化や入院には100%の予防効果が見られ、安全性も示されたという。

ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)の薬剤疫学教授、スティーブン・エバンズ氏は「ワクチンの効果が非常に高く、高齢者に対する有効性も目立った減退は確認されなかった」と述べた。

同ワクチンを巡っては、接種後に血栓ができるなどの副反応が疑われる事例が報告されたことを受け、欧州連合(EU)内でも安全性を巡る議論が行われていた。

アストラゼネカは独立した安全性委員会を設置。米国の臨床試験における血栓の事例のほか、極めてまれな脳内血栓である脳静脈洞血栓症(CVST)について検証を行った。

その結果、「1回以上接種を受けた2万1583人の中に、血栓症または血栓症を特徴とする事象のリスクは増加しなかった。CVSTについても、この試験では事例は認められなかった」と結論付けた。

アストラゼネカは米国内での緊急使用許可獲得に向け、このデータを食品医薬品局(FDA)に提出する準備を行っている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・フィット感で人気の「ウレタンマスク」本当のヤバさ ウイルス専門家の徹底検証で新事実
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済活動、7地区で緩やかな拡大 見通しは全体に楽

ワールド

イラン、CIAに停戦協議打診か イスラエルは米に説

ワールド

ハメネイ師息子モジタバ師、後継有力候補との情報 米

ビジネス

プーチン氏、欧州向けガス供給の即時停止の可能性を示
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 8
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中