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テレワークでの仕事満足度が、年代によって大きく異なる理由

2021年2月12日(金)10時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

年代によってテレワーク移行への満足度は大きな違いが出ている chee gin tan/iStock.

<コロナ禍によるテレワークの推奨で、日本全国で約1200万人の労働者がテレワーク中心の働き方にシフトしたが>

コロナ禍が社会を大きく変えつつある。就労の世界で言うと、その最たる変化はテレワークの普及だ。オフィス以外の多様な場所で業務をこなすことで、「密」を避けようという意図からこういう働き方が推奨されている。

政府は「出勤者7割減」を呼び掛けているが、さすがにここまでは実現できそうにない。現業職はテレワークはできないし、ホワイトカラーにしても、言い出しっぺの中央官庁では相変わらず深夜まで灯りがともっている。紙、ハンコ、電話といった非効率なやり方が今でも残っているためでもある。

「テレワークができるのは、働く人の1割ほどだ」という声もあるが、そこまで少なくはないだろう。内閣府の『新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査』では、感染症の影響下で経験した働き方を尋ねている(Q13)。対象は、15歳以上の就業者6649人だ。当てはまるものを全て選んでもらう形式で、選択率を示すと<表1>のようになる。

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テレワーク、勤務日制限、フレックス、時短といった項目が挙げられているが、就業者の41.1%が「いずれも実施していない」を選んでいる。コロナ禍にあっても、働き方が変わっていない人たちだ。多くが現業職だろう。

テレワークについては、3つのレベルに分けられている(1~3)。100%が10.5%、50%以上が11.0%、50%未満が6.9%だ。これら3項目の選択に重複はないので、独立した割合と読める。テレワーク中心の勤務に移行したのは、1と2を足して21.5%となる。およそ2割だ。国内の全労働者は6000万人ほどなので、約1200万人がテレワークにシフトしたことになる。テレワーク向けに1日500円で部屋を貸し出すホテルが話題になっているが、こういうビジネスへの需要は今後高まるものとみられる。

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