強大化する中国を前に日米豪印「クアッド」が無力な理由
Anti-China Alliance Will Fail
2021年2月22日(月)11時30分
経済こそが覇権争いの舞台だ。アメリカがTPP(環太平洋経済連携協定)から、インドがRCEP(東アジア地域包括的経済連携)から抜けた結果、中国を軸とする巨大経済圏が展開している。1970~80年代にアメリカの巨大な消費市場がソ連を倒したように、成長し続ける中国の巨大消費市場がこの地域の覇権争いに決着をつけるはずだ。
4カ国の経済的利害と中国に対する脆弱性の違いは、クアッドの論理的根拠を次第に薄れさせるだろう。その証拠に、アジアではアメリカの最も忠実な同盟国である韓国も含めて、新たにクアッドに参加する国は皆無だ。クアッドではなくRCEPこそがアジアの将来像なのだ。
<本誌2021年2月9日号掲載>
2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿
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