最新記事

ワクチン

米医薬大手モデルナ、FDAにコロナワクチン緊急使用許可を申請 欧州でも計画

2020年12月1日(火)10時06分

米バイオ医薬品大手モデルナは30日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を米食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)に申請すると発表した(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

米バイオ医薬品大手モデルナは30日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を米食品医薬品局(FDA)に申請した。後期臨床試験(治験)から、深刻な安全性を巡る問題はなく、94.1%の予防効果が確認されたことを受けた。

欧州医薬品庁(EMA)に申請する計画も発表した。

モデルナによると、ワクチンの効果はあらゆる年齢や人種、性別の患者に一貫して確認され、重度の新型コロナ感染症の予防では100%の効果があったという。

株価は150ドルを突破し、過去最高値を更新。終値は20.2%高の152.74ドル。

治験には3万人超が参加。うち新型コロナに感染した196人のデータによると、185人はプラセボ(偽薬)、11人にはワクチンが投与された。また、コロナ感染症が重症化した30人は、いずれもプラセボの投与だった。

ニュースを受け、モデルナの株価は約15%急伸し、過去最高値を更新した。年初からは600%超値上がりしている。

FDAへのコロナワクチン申請は、米ファイザーに続き2例目。ファイザーは、ワクチンの治験で95%の予防効果が確認されたという最終結果を発表している。

アザー米厚生長官はCBSのテレビ番組「ディス・モーニング」に対し、「米国ではクリスマスまでに2種類のワクチンの接種が可能となる見通し」と語った。

同長官によると、FDAの諮問委員会が12月10日に開く会合でファイザーのワクチンに関する検討を行い、同ワクチンは数日中に承認、出荷される可能性がある。またモデルナのワクチンも、1週間ほど遅れて承認、出荷される見込み。

モデルナは、米国向けとして、年末までに約2000万回分のワクチン供給の用意が整う見通しとした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナが改めて浮き彫りにした「毛皮工場」の存在
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力



ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

AIを国際公共財に、習氏が国際機関構想アピール A

ワールド

トランプ氏、エヌビディアの最先端半導体「中国など他

ビジネス

サハリン2のLNG調達は代替可能、JERAなどの幹

ビジネス

中国製造業PMI、10月は50.6に低下 予想も下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中