トランプ選挙集会はコロナ感染を3万人増やし、700人以上を死亡させた=米スタンフォード大分析
必要なデータは
専門家によると、これほどの大規模イベントできっちりと接触追跡ができれば、今後そうした集会でどれぐらい感染者が出るか正確な予測を導き出せる。
ところが米国は、この分野で他の先進国ほど進んでいない。トランプ政権が接触追跡のための十分な予算を拠出せず、協力的でないからだ。
スクリップス・リサーチ・トランスレーショナル・インスティテュートのゲノム(総合的な遺伝子情報)専門家、エリック・トポル博士は「問題はわれわれが現実の数字を把握するために何もしていないことにある」と語り、その代わりに推測・統計モデルに頼るしかないことになると付け加えた。
例えば科学者が、新型コロナウイルスが別の人に移動するのに伴う遺伝子コードの瞬時の変化を解析すれば、ウイルス伝播地図の開発につなげられる。オーストラリア、香港など米国以外の地域では、この技術は新型コロナの感染者の追跡に既に利用されている。
トポル氏は「もし1つでも明確に追跡された集会があれば、そこから推論を組み立てることができる。だがそうしたことが可能な集会はゼロだ」と述べ、米国ではまるで接触追跡の技術が存在していないかのようだと嘆いた。
【話題の記事】
・中国はトランプ再選を願っている
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力
2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら