最新記事

2020米大統領選

アメリカ大統領選の最終討論会、トランプとバイデンがコロナ対応めぐり激しい応酬 初回より落ち着きも

2020年10月23日(金)16時17分

11月3日の米大統領選に向けた最後の候補者討論会がテネシー州ナッシュビルで開かれた。代表撮影(2020年 ロイター)

11月3日の米大統領選に向けた最後の候補者討論会がテネシー州ナッシュビルで開かれた。現在も感染拡大が続く新型コロナウイルスを巡り、民主党候補のバイデン前副大統領と共和党のトランプ大統領は極めて対照的な見解を示した。

9月の第1回討論会は、トランプ氏がバイデン氏の発言にたびたび割り込み、双方がお互いを罵倒するなど混沌としたが、今回、トランプ氏は落ち着いた議論を展開した。それでも、両候補が互いに個人攻撃する場面も見られ、トランプ氏はバイデン氏とその家族に関する立証されていない汚職疑惑を主張した。

バイデン氏は冒頭、トランプ氏の新型コロナ対応を批判し、「これほど多くの死者を出した責任がある大統領が同職にとどまるべきではない」と訴えた。国内の新型コロナ感染による死者は22万1000人を超えた。

トランプ氏は自身の対応の正当性を主張し、コロナ流行の最悪期は過ぎたとの見方を示した。「私たちはコーナーを回ろうとしている。(コロナは)消えつつある」とした。

トランプ氏が「われわれは(ウイルスと)共に生きることを学んでいる」と述べると、バイデン氏は「共に生きる?人々は亡くなっている」と反論した。

トランプ氏は、「数週間」中にワクチンができる可能性があるとも主張した。米政権当局者を含め大半の専門家は、2021年半ばまでにワクチンが広く使用可能になる可能性は低いとしている。

バイデン氏が、新型コロナ対策でトランプ氏は責任逃れをしていると批判すると、トランプ氏は「全ての責任を取る」と述べた上で、「(ウイルスが)米国に入ってきたのは私の落ち度ではない。中国の責任だ」と主張した。

激戦州のオハイオを含む複数の州では22日、1日当たりの新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多を記録、感染が再拡大していることを示した。

新型コロナに関する冒頭の議論に続き、両者は外国勢力との不適切なつながりの疑惑などを巡り応酬を繰り返した。

トランプ氏は、バイデン氏と息子のハンター氏が中国とウクライナで不正行為を行ったとする疑惑を再び訴えた。この疑惑は立証されていない。

バイデン氏は自身の親族の不正を否定し、自らについても外国から「1セントたりとも」受け取ったことはないと言明。トランプ氏は国民の関心をそらそうとしているだけで、「ほら話を持ち出すのには理由があるからだ」と強調した。

バイデン氏は、トランプ氏が20年以上にわたり連邦所得税をほとんど納めていないとしたニューヨ-ク・タイムズ紙の報道に触れ、同氏が納税を回避していると非難。納税記録の開示を求めた。

これに対しトランプ氏は、すでに「数百万ドル」の税金を払ったと主張し、監査が終了すれば納税記録を開示するとの立場を繰り返した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など

ワールド

アングル:失言や違法捜査、米司法省でミス連鎖 トラ

ワールド

アングル:反攻強めるミャンマー国軍、徴兵制やドロー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 5
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 8
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中