最新記事

火災

韓国ウルサン市33階建て高層ビルで火災 住民など88人病院に搬送、対応できる消防車なく消火遅れる

2020年10月9日(金)10時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

韓国南東部の蔚山(ウルサン)広域市にある33階建ての高層ビルで8日夜に火災が発生し、住民など88人が病院に搬送された。YTN News / YouTube

韓国南東部の蔚山(ウルサン)広域市にある33階建ての高層ビルで8日深夜に火災が発生し、住民など88人が病院に搬送された。

釜山日報など韓国メディアの情報によると、火災が起きたのは蔚山市南区新亭洞にある33階建てのサンファンアールヌーボーマンション。火災は8日午後11時7分に12階バルコニーで発生し、通報を受けた消防当局が午後11時20分、現場に到着して鎮火に乗り出したが、火の手が瞬間秒速15mの強い風に乗って外壁に沿って延焼、一瞬に33階まで広がったという。

大きな炎は約2時間ほどで消し止められたが、その後もマンション外壁パネル内で炎が飛び火し、完全鎮火するまで時間がかかっているという。

蔚山消防本部は火災発生後、屋上などに避難していた住民54人を救助。そのうちの一部と自力で避難した住民など88人が病院に移送されたが、煙を吸い込んだり擦過傷を負うなど比較的軽いけがだという。

対応できる消防車がない

一方、今回の火災で浮き彫りになったのが韓国の高層火災に対する消火体制の脆弱さだ。今回の火災で消火に数時間以上かかった理由として、蔚山市には超高層の火災を消し止める70m高架はしご車がないことが指摘されている。

韓国国内には23階の高さまで対応可能な70m高架はしご車は10台だけで、ソウル・京畿道、仁川市が2台ずつ保有しており、釜山・大田・世宗・済州に1台ずつ配備されているという。今回の火災が起きた蔚山をはじめとする残りの自治体では70m高架はしご車がなく、 実際、今回の蔚山で発生した火災にも高架はしご車が動員されたが、放水はビルの中問層までしか届かず、高層階についてはヘリコプターによる消火活動で対応していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド、対米対抗関税を提示 WTOに通達

ビジネス

独バイエル、国内農業関連事業を縮小 アジア勢との競

ワールド

米カリフォルニア州知事、自治体にホームレス取り締ま

ワールド

トランプ大統領、13日から中東3カ国歴訪 大規模デ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 10
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中