最新記事

災害

大雨が食糧不安を引き起こした中国で「食べ物を大切に」キャンペーンが始まった

2020年8月19日(水)16時30分
ジェームズ・パーマー

南部で長引く大雨が中国にダメージを(江西省) CDIC-REUTERS

<イネが育ちつつあった水田が大打撃を受けて穀物価格は大幅に上昇>

大雨による洪水は中国に食糧危機の不安を引き起こす。

中国南部で続く大雨と洪水によって、約370万の住民が避難を余儀なくされている。特に深刻な被害を受けているのが農民だ。イネが育ちつつあった水田は大打撃を受け、穀物価格は20~30%上昇。さらなる降雨が予想されるなか、習近平(シー・チンピン)国家主席は食糧危機を避けるため、「食べ物を大切に」キャンペーンを始めた。

ただし当面は心配ないかもしれない。庶民は新型コロナウイルスの再流行によるロックダウン(都市封鎖)や洪水、さらには米中軍事衝突の可能性を心配して、ここ数週間食糧を自宅にため込んできた。

習自身が飢えることもない。毛沢東時代の大飢饉でも共産党指導部には特別食を供給するシステムがあった。最近は環境汚染リスクのない安全な食品が提供されている。

いざとなれば輸入もできる。ただ頼みのアメリカとは緊張関係が続く。飢えた庶民の怒りが政権を打ち倒す──習もよく知る中国史の教訓だ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2020年8月25日号掲載>

【関連記事】中国・三峡ダムに「ブラックスワン」が迫る──決壊はあり得るのか
【関連記事】三峡ダムより九州の水害を報じる、中国報道は「ポジティブエネルギーがいっぱい」

【話題の記事】
中国は「第三次大戦を準備している」
コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
異例の熱波と水不足が続くインドで、女性が水を飲まない理由が悲しすぎる
介護施設で寝たきりの女性を妊娠させた看護師の男を逮捕

20200825issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

12月完全失業率は2.6%で前月と同水準、有効求人

ワールド

米両党が合意、連邦政府資金の大部分を9月まで確保=

ワールド

東京コアCPI1月は+2.0%に鈍化、総合は24年

ワールド

キューバに石油供給する国に関税発動へ、トランプ氏が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 6
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 7
    配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本…
  • 8
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 9
    致死率高い「ニパウイルス」、インドで2人感染...東…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 8
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中