最新記事

事件

黒川東京高検検事長が辞表提出 自粛さなかに賭けマージャンで引責

2020年5月21日(木)18時45分

黒川弘務東京高検検事長が賭けマージャンで辞表を提出した。

森雅子法相は21日、黒川弘務東京高検検事長が辞表を提出し、22日の閣議での承認を受けて正式に辞職すると記者団に発表した。緊急事態宣言下に2度にわたり記者と金銭を賭けたマージャンをした事実は極めて遺憾であるとして、法相は同日法務省の調査結果を安倍晋三首相に報告した。後任は速やかに決めるとした。

安倍政権は、世論の強い反発を受けて検察庁法改正の今国会成立を見送ったばかりだが、政権に近いとされる黒川氏の不祥事に野党は反発、国会での説明を求め22日以降の審議に応じない構え。新型コロナウイルスに対する2020年度第2次補正予算の審議が急がれるなか、与野党対立が激化する可能性がある。

首相は検察庁法改正とセットで見送られた公務員の定年延長法案についても「国民の理解を得ないと進めることができない」と述べて見直しに含みを持たせた。

森法相、定年延長で「責任痛感」

森法相は「法務省の調査結果を安倍首相に報告した。黒川氏は東京高検検事長の立場にありながら、緊急事態宣言下の5月1日と13日の2回にわたり報道機関関係者3人とマンションの一室で会合し、金銭を賭けてマージャンをしていたことが分かった」とし「この行為は誠に不適切というほかなく極めて遺憾。これらの事実関係が認められたことから黒川検事長に対し監督上の処分として訓告とした」とコメントした。

ことし1月の黒川氏定年延長に関して「責任を痛感」とも述べた。

20日に週刊文春のニュースサイトが黒川検事長は新聞記者と賭けマージャンをしハイヤーで送迎された疑いがあると報道した。

報道によると立憲民主党の安住淳国対委員長は21日記者団に対して、黒川東京高検検事長が辞意を固めたことについて、国会内で記者団に「黒川さんの(定年)延長は余人をもって代え難いと言ってきたのは安倍首相だ。本来だったら総辞職に値する」と語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、出産費用「自己負担ゼロ」へ 人口減少に歯止め

ワールド

ロシア中銀、ユーロクリアを提訴 2300億ドルの損

ワールド

中国が岩崎元統合幕僚長に制裁、官房長官「一方的措置

ビジネス

フジHD、33.3%まで株式買い増しと通知受領 村
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中