最新記事

感染第2波

北九州市長「第2波の真っただ中」 政府は感染増でも福岡県への緊急宣言再発出考えず

2020年5月29日(金)12時48分

北九州市の北橋健治市長は29日、同市の緊急対策会議で、「今の状況を一言で言うと、第2波の真っただ中にいる」と危機感をあらわにした。写真は小倉駅。

菅義偉官房長官は29日閣議後の会見で、北九州市における新型コロナウィルス感染者の増加を踏まえても、福岡県に対し直ちに緊急事態宣言の発出は考えていないと述べた。感染リスクをゼロにはできないため、感染防止対策を徹底しつつ経済の段階的レベル引上げを続けていく考えを示した。

同長官は北九州市では43人の感染者のうち、17人程度は濃厚接触だと説明し、感染経路が追えていると強調。また医療提供体制も、コロナ患者向け病床が北九州市で93床、福岡県全体で490床確保されているとした。

その上で「本日開催される専門家会議で北九州市の事例も含めて、次の波を見据えて議論するとし、専門家の意見も踏まえて適切な対応を取っていく」と述べた。

「感染リスクをゼロにすることはできないがリスクをコントロールすることはできる」と指摘。東京都でも病院でのクラスター発生の懸念があるが、「都道府県において3つの密の危険性がある施設への協力要請をしっかりと行われているはずだ」との認識を示した。

北九州市の北橋健治市長は29日、同市の緊急対策会議で、「今の状況を一言で言うと、第2波の真っただ中にいる」と危機感をあらわにした。

*内容を追加しました。

(中川泉 編集:高木匠)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染15人 2桁台で3日連続増加
・ブラジルのコロナ無策は高齢者減らしのため?
・韓国、新型コロナ新規感染者は79人 4月5日以来最多、ネット通販の物流センターで感染拡大
・経済再開が早過ぎた?パーティーに湧くアメリカ


20200602issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月2日号(5月25日発売)は「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集。行動経済学、オークション、ゲーム理論、ダイナミック・プライシング......生活と資産を守る経済学。不況、品不足、雇用不安はこう乗り切れ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、イランのフーシ派支援に警告 国防長官「結果引き

ビジネス

消費者態度指数、5カ月連続マイナス 基調判断「弱含

ワールド

中国、欧州議会議員への制裁解除を決定

ワールド

エルサルバドルへの誤送還問題、トランプ氏「協議して
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中