最新記事

新型コロナウイルス

中国、新型コロナウイルス新たな感染者減少 専門家は慎重姿勢崩さず

2020年2月18日(火)12時30分

中国の保健当局者らによると、中国本土での新型コロナウイルスによる肺炎は、新たな感染者の数が1月30日以来初めて2000人を割り込んだ。写真は17日、上海で街を歩く男性(2020年 ロイター/Aly Song)

中国の保健当局者らによると、中国本土での新型コロナウイルスによる肺炎は、新たな感染者の数が1月30日以来初めて2000人を割り込んだ。しかし海外の専門家は、感染の封じ込めに成功したと判断するのは時期尚早とし、依然として慎重な姿勢を崩していない。

国家衛生健康委員会は18日、中国本土での新型肺炎の死者が17日時点で新たに98人増え、1868人になったと明らかにした。感染者は1886人増加し、累計7万2436人となった。

人の移動に対する厳しい規制が奏功し、流行の中心地である湖北省以外では感染拡大に鈍化傾向がみられるが、中国経済や世界の企業への打撃は大きい。

米アップルは17日、新型肺炎の流行が中国での同社製品の生産と需要の両方に影響を与えているため、1─3月期の売上高が会社予想に届かない見通しと発表。中国での同社製品の生産拠点は再稼働したものの、想定よりも生産の立ち上がり遅いと説明した。

中国での生産拠点がフル稼働に達していないため、スマートフォン「iPhone」の供給が「一時的に制約を受ける」見通しとし「iPhoneの供給制約が、世界中で売上高に一時的に影響する」との見方を示した。

野村のアナリストは、中国の第1・四半期の経済成長率予想を再び引き下げ、昨年第4・四半期の半分に当たる3%とした上で、成長が一段と鈍化するリスクもあると警告した。17日付の調査リポートの中で、中国経済は既にあまりにも大きなダメージを受けており、当初の刺激策はあまり効果が出ないだろうと指摘。中国は需要と供給の両面が同時にショックを受けるという、珍しいケースを経験しているとした。

韓国の文在寅大統領は18日、新型コロナウイルスの感染拡大で経済は緊急事態にあるとの認識を示し、政府は景気支援に向け全力を尽くすべきだと述べた。

香港政府は、新型ウイルス流行を受けて先に発表した景気対策の規模を総額250億香港ドルから280億香港ドル(36億ドル)に拡大すると表明した。

中国の国有資産監督管理委員会の高官は18日会見し、新型コロナウイルスの感染拡大について、国内の様々な産業への影響は主に2月に表れるとの見通しを示した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 8
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中