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イラン軍司令官を殺しておいて本当の理由を説明しようとしないトランプは反アメリカ的

The Trump Administration Is Barely Trying to Explain the Iran Strike

2020年1月7日(火)20時45分
ジョシュア・キーティング

問題は、今回のように軍事的な緊張が高まっているなかでは、攻撃の動機が誤って解釈される事態も避けられないということだ。もしも今回のドローン攻撃が本当に自衛のために行われたのなら、トランプ政権はその証拠を提示しなければならない。もしもトランプが何であれスレイマニ殺害を正当なものと確信しているなら、その根拠を示すべきだ。

トランプはその場しのぎで理由をつくっているようにしか見えない。それが、スレイマニ殺害はまったく不当だとするイランの主張を本当らしく見せている。それだけではない。スレイマニ自身のテロ行為に対する批判も今や説得力をもたなくなっている。西側諸国はアメリカを擁護しにくくなり、中東のシーア派各国はスレイマニを英雄視し、反米に熱狂する。

自分の行動の理由を説明することができないと、敵に都合のいい説明をされてしまうことになる。

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© 2020, Slate

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