最新記事

救助

タイ洞窟のサッカー少年たち、心身を支える瞑想で耐えた9日間

2018年7月9日(月)15時30分
松丸さとみ

専門家もコーチの瞑想を支持

洞窟に閉じ込められた少年の中に自身の11歳の息子がいるという女性は、発見時のビデオを見て、子供たちがいかに落ち着いているかを指摘。「泣いたりわめいたりしている子が誰もいない」と驚きを隠さない。ジャンタウォンさんの落ち着いた性格が子供たちの心の状態に影響したのだろう、とニューヨーク・タイムズに語った。

スタンフォード大学医学部で精神行動科学を教えるデイビッド・シュピーゲル教授はニューヨーク・タイムズに対し、「青年期は特に社会的なので、友達やコーチがいてくれるのは大きな助けになる」と説明する。

また、閉じ込められた人が心の健康状態を保つのに瞑想が役立つ可能性がある点についても、シュピーゲル教授は同意する。「恐れに対して戦うのではなく、まるで嵐が通り過ぎるのをじっと待つように、怖い思いやネガティブな考えをやり過ごす」ことが瞑想で可能になるからだ。

ニューヨーク州立大学バッファロー校で心理学を教えるマイケル・ポーリン教授も、子供たちの精神状態を健全に保つのに瞑想が役に立っただろうとニューヨーク・タイムズに話した。それが例えば直接的でなかったとしても、コーチが自分たちを助けようと瞑想を教えてくれているんだと思い、「愛され、大切にされていると感じることが重要だ」と説明している。

Thailand cave rescue: Successful start to the mission

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ」が物議...SNSで賛否続出
  • 4
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 7
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 8
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 9
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 10
    高市首相の「台湾有事」発言、経済への本当の影響度.…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中