最新記事

米ロ関係

米ロ首脳会談、第三国で開催へ 候補地はヘルシンキ

2018年6月28日(木)08時32分

6月27日、ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)は、米ロ首脳会談を近く開催する方向で米政府と合意したと発表した。写真はベトナムのダナンで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に会話を交わすプーチン大統領(左)とトランプ大統領。2017年11月撮影(2018年 ロイター/Jorge Silva/File Photo)

ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)は27日、米ロ首脳会談を近く開催する方向で米政府と合意したと発表した。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とロシアのプーチン大統領との会談後に明らかにした。

ウシャコフ補佐官は記者団に対し、開催地は両国と国交のある第三国となる見通しで、準備に向け今後数週間の時間が必要になると説明。

米・ロシア両政府が28日に首脳会談の日程および開催場所を発表する予定という。

一方、トランプ米大統領は27日、プーチン大統領との首脳会談について、自身が出席する来月11─12日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の後に、ヘルシンキで行う可能性を示した。

大統領は記者団に対し、プーチン氏とシリアやウクライナ情勢など多くの議題を話し合う考えを示した。

しかし、11月に行われる米中間選挙にロシアが介入を図るとした米情報当局の警告には言及しなかった。

米ロ首脳が顔を合わせたのは、昨年11月にベトナムで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が最後。

米ロ首脳会談の開催は、ロシアを孤立させたい英国など米国の同盟国の反感を買うほか、米国内の反トランプ勢力からも強い反対にあう可能性が高い。

ロシアのウシャコフ補佐官は、米ロ首脳会談は数時間に及ぶ可能性があると指摘。両首脳が両国関係と国際的な安全保障の改善に向けた共同宣言を出す可能性にも言及した。

また、首脳会談の前に外相会談が行われる見通しだと述べた。

モスクワを訪れたボルトン補佐官と会談したプーチン大統領は27日、米ロ関係は最良の状態にはないが、今回の訪問によって関係修復への第一歩を踏み出せるとの期待がもたらされたと発言。「ロシアは決して対立を望まない」とも述べた。

ウシャコフ補佐官は27日の米政府との協議で、米国の対ロシア制裁は取り上げられなかったと説明。首脳会談での4つの主要テーマとして、核の戦略的安定性、国際テロリズムとの闘い、ウクライナやシリア内戦など地域の問題、米ロ関係を挙げた。

ボルトン補佐官は記者団に対し、米ロ首脳会談では米国政治へのロシアの介入問題が話し合われるとの見方を示した。また、トランプ大統領がロシアの主要7カ国(G7)への復帰を取り上げる可能性を排除しないとも発言。さらに、首脳会談での具体的な成果を必ずしも期待していないとした。

[モスクワ 27日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀、5対4の僅差で0.25%利下げ決定 今後の

ワールド

IS、豪銃乱射事件「誇りの源」と投稿 犯行声明は出

ビジネス

ECB、成長率とインフレ率見通し一部上方修正=スタ

ビジネス

米11月CPI、前年比2.7%上昇 セールで伸び鈍
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 7
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 8
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 9
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 10
    欧米諸国とは全く様相が異なる、日本・韓国の男女別…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中