最新記事

インド

東南アジアで地歩固めるインド 中国けん制で各国と連携強化へ

2018年6月8日(金)18時00分

1日、シンガポールで行われたシャングリラ対話で基調講演するインドのモディ首相(2018年 ロイター/Edgar Su)

6月12日に予定されている米朝首脳会談と、先週の貿易を巡る米中の対立再燃の影でほとんど注目されなかったものの、インドが東南アジア一帯で外交・安全保障の関係強化に動いている。

中国をけん制する狙いがあることは明白だ。

モディ首相が11カ月後に控えた総選挙に労力を割かれる可能性がある上、こうした関係強化がこれまでにも長年「約束」されていたことを踏まえれば、インド政府がどこまでこれらの関係を進めるのかは不明だ。また、インドがすでに中国を揺さぶっているとするなら、インドとしても事を荒立てたくはないだろう。

だがモディ首相は最近、東南アジアで具体的な外交・安全保障上の手を打っている。

同首相は、インドネシアとの間で、同国北西部サバンの港湾開発の合意文書に署名した。世界でもっとも交通量の多い水路の1つであるマラッカ海峡の西側の入り口を監視できる位置に港が造られることになる。またシンガポールとの間で、寄航した海軍の艦船や潜水艦、軍用機などへの供給支援協定に合意した。

モディ首相はまた、マレーシアの首都クアラルンプールに飛び、先月の総選挙で勝利したマハティール首相と会談。東南アジア諸国の中でもっとも有力な3カ国との関係を着実に固めた。

モディ氏は1日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で、インドは東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力し、インド太平洋地域でルールにのっとった秩序を後押しすると表明した。

「われわれは、安定した平和な地域構築のため、個別にまたは3カ国かそれ以上の形で協力する」と、モディ氏は同会議の基調講演で強調した。

マティス米国防長官を含めた数カ国の代表が、支持を表明した。

同会議が閉幕した3日、シンガポールのウン・エンヘン国防相はこう話した。「インドがこの地域への強いコミットメントを表明し、多くの国が喜んでいるに違いない」

MAGAZINE

特集:遺伝子最前線

2019-1・22号(1/16発売)

革命的技術クリスパーで「超人」の誕生も可能に── 人類の未来を変えるゲノム編集・解析の最新事情

人気ランキング

  • 1

    北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」というロシアの主張は大間違い

  • 2

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 インドネシア、違法飼育の容疑で日本人を捜索

  • 3

    タイ洞窟からの救出時、少年たちは薬で眠らされ、両手は縛られていた

  • 4

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 5

    人の頭を持つ男、指がなく血の付いた手、三輪車に乗…

  • 6

    史上最悪の「スーパー淋病」にイギリス人男性が初感…

  • 7

    【動画】中国の会社従業員「四つ這い」懲罰に非難殺到

  • 8

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 9

    米政府閉鎖で一カ月近く無給の連邦職員、食料配給に…

  • 10

    日本がタイ版新幹線から手を引き始めた理由

  • 1

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 インドネシア、違法飼育の容疑で日本人を捜索

  • 2

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、被害続発する事情とは

  • 3

    タイ洞窟からの救出時、少年たちは薬で眠らされ、両手は縛られていた

  • 4

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 5

    エイリアンはもう地球に来ているかもしれない──NASA…

  • 6

    ジョンベネ殺害事件で、遂に真犯人が殺害を自供か?

  • 7

    北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」という…

  • 8

    人の頭を持つ男、指がなく血の付いた手、三輪車に乗…

  • 9

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 10

    宇宙から謎の「反復する電波」、2度目の観測:地球外…

  • 1

    炎上はボヘミアン・ラプソディからダンボまで 韓国の果てしないアンチ旭日旗現象

  • 2

    口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

  • 3

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非難された3つの理由

  • 4

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 5

    日韓関係の悪化が懸念されるが、韓国の世論は冷静──…

  • 6

    オーストラリア人の94%が反捕鯨の理由

  • 7

    アレクサがまた奇行「里親を殺せ」

  • 8

    ジョンベネ殺害事件で、遂に真犯人が殺害を自供か?

  • 9

    日本がタイ版新幹線から手を引き始めた理由

  • 10

    インドネシア当局、K-POPアイドルBLACKPINKのCM放映…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月