最新記事

米中関係

トランプ政権、台湾に関する中国からの表記強制に反発「全体主義的馬鹿げた行動」

2018年5月7日(月)10時22分

5月5日、米ホワイトハウスは、中国当局が航空会社に対し台湾などを中国の一部として表記するよう指示したことについて、強く批判した。写真は大統領訪中の歓迎式典時掲げられた米国旗。昨年11月に北京で撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)

米ホワイトハウスは5日、中国当局が航空会社に対し台湾などを中国の一部として表記するよう指示したことについて、強く批判した。

ホワイトハウスによると、中国民用航空局(CAAC)は米国を含む国外航空会社36社に対し書簡を送付した。米国および航空会社の話では、各社のウェブサイトで台湾、香港、マカオを中国から独立した国の一部として表記している部分を削除するよう命じられたという。

ホワイトハウスは声明文で、トランプ大統領は「米国企業や米国民に中国の政治的公正を押し付けようとする中国共産党に対抗するため、米国民のために立ち上がる」だろうと言明。「ジョージ・オーウェル的(全体主義国家的)な馬鹿げた行動だ。中国共産党が政治的見解を米国民や民間企業に押し付けようとする傾向が強まっており、これはその一環だ。中国には、米航空会社や国民に対する威嚇と強制をやめるよう求める」とした。

これに対し中国外務省は6日、中国で営業する海外企業は中国の主権と領土の保全を尊重し、中国の法律に従い「中国の国民感情を尊重」すべきだと反論。「米国側が何を主張しようと、世界には1つの中国しか存在せず、香港、マカオ、台湾は中国領土の不可分の一部であるという客観的事実を変えることはできない」と述べた。

台湾を巡る領土問題は中国にとって最も慎重に扱うべき課題となっている。欧州の植民地だった香港とマカオは返還され、中国の一部となったが、大半は自治に任されている。

[ワシントン 5日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中