最新記事

セクハラ

セクハラ・スキャンダルの大本命はトランプ

2017年11月24日(金)15時50分
クリス・リオッタ

大統領選中も女性を蔑視するような発言を度々批判された(14年9月に元妻イバナと) Dave Kotinsky/GETTY IMAGES

<性的暴行や暴行未遂の「被告」になっても、フェイクと一蹴するふてぶてしさ>

米アラバマ州の12月の上院補欠選挙は、前同州最高裁長官であるロイ・ムーア(共和党)の勝利が確実とみられていた。しかし5人の女性が実名で、数十年前の10代の頃に「不適切な行為」をされたと告発。最年少では当時14歳だった女性が名乗り出てムーアは苦境に陥っている。

アメリカでは今、ハリウッドを中心に、著名人から性的嫌がらせ(セクシャルハラスメント)を受けたという告白が相次いでいる。そしてその余波で、同じような疑惑をするりと逃れた人物に再び注目が集まっている。レイプまたはレイプ未遂で3回訴えられたことがあるトランプ米大統領だ。

94年に当時13歳の少女が、大富豪ジェフリー・エプスタインの自宅で行われたパーティーでトランプに会った。エプスタインは小児性愛者として悪名高く、少女に売春をさせたなどの罪で08年に有罪判決を受けている。

この少女は16年6月に、パーティーでトランプから「激しい性的暴行」を受けたと匿名で告訴。トランプとエプスタインが、彼女は未成年だと周囲に警告された後も、さまざまな性的行為をさせたという目撃証言も書面で提出された。

訴状によると、「レイプの直後にトランプ被告は、このことを誰かに話したら、私と私の家族が肉体的な危険にさらされて、もしかすると殺されるかもしれないと脅した」。

16年11月、大統領選の4日前に告訴は取り下げられた。女性の代理人によると、彼女は「数多くの脅迫」を受けていた。

政治的なでっち上げ?

トランプの最初の妻イバナは離婚手続きの際に、89年に夫からレイプされたと訴えている。トランプの伝記によると、頭皮の手術後の痛みに苦しんでいたトランプは、イバナの髪をむしり取って強引に性行為をした。

ただしトランプ側の要望で、「『レイプ』という言葉は使ったが文字どおりに、あるいは犯罪的な意味で解釈してほしくない」とイバナが書いた文書が伝記の冒頭に掲載された。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

世界貿易、AI導入で40%近く増加も 格差拡大のリ

ビジネス

インドネシア中銀、予想外の利下げ 独立性に懸念

ワールド

イスラエル軍、ガザ市住民の避難に新ルート開設 48

ワールド

南アCPI、8月は予想外に減速 金融政策「微妙な判
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中