最新記事

ミャンマー

国連事務総長と安保理、ミャンマーにロヒンギャへの暴力停止を求める

2017年9月14日(木)16時11分

9月13日、国連のグテレス事務総長と国連安全保障理事会は、ミャンマーにイスラム系少数民族のロヒンギャ族に対する暴力を停止するよう求めた。写真はミャンマーからバングラデシュへ避難するロヒンギャ族の人々。バングラデシュで10日撮影(2017年 ロイター/DANISH SIDDIQUI)

国連のグテレス事務総長と国連安全保障理事会は13日、ミャンマーにイスラム系少数民族のロヒンギャ族に対する暴力を停止するよう求めた。治安部隊の攻撃を受け、40万人のロヒンギャ族がバングラデシュに脱出している。

事務総長は、ミャンマー西部ラカイン州で起きている事態は民族浄化としか言いようがないとし、記者会見で「ロヒンギャ族の3分の1が避難を余儀なくされている状況をこれ以上的確に表せる言葉があるだろうか」と語った。

さらに「ミャンマー当局に対し、武力行使の中止、暴力の停止、法治の順守とともに、出国を余儀なくされた人々の帰国権を認めるよう求める」と述べ、これまでにアウン・サン・スー・チー国家顧問と数回会談したと付け加えた。

8月25日にロヒンギャ族の過激派が政府を襲撃したことから、治安部隊が報復に乗り出し、ロヒンギャの大量脱出が始まった。政府は「テロリスト」を攻撃の標的にしているとするが、避難民らはロヒンギャ族追放の意図があると話している。

国連安保理は13日、スウェーデンと英国の要請で危機発生後2度目の非公開協議を行い、公にこの状況を非難することで合意した。

安保理は声明で「治安作戦中の過剰な武力行使の報告に対する懸念を表明する。また、ラカイン州における暴力停止と事態の改善、法と秩序の回復、民間人の確実な保護に向け、速やかに手続きを取り、難民問題を解決するよう要求する」と述べた。

[国連 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、鉄鋼生産抑制へ対策強化 電炉や水素還元技術を

ビジネス

米総合PMI、10月は54.8に上昇 サービス部門

ビジネス

米CPI、9月前月比+0.3%・前年比+3.0% 

ワールド

加との貿易交渉「困難」、トランプ氏の不満高まる=N
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...装いの「ある点」めぐってネット騒然
  • 2
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月29日、ハーバード大教授「休暇はXデーの前に」
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中